三菱電機過大請求:不正入力「社が指示」 防衛省調査に従業員が証言

三菱電機が防衛装備品などの経費を過大請求していた問題で、同社鎌倉製作所の従業員が防衛省の調査に対し「自分がしていない作業内容を、人件費などの集計システムに不正入力するよう社内で指示されていた」と説明していることが分かった。同省は組織的な不正が長期間続いていた疑いもあるとみて、30日からの特別調査で実態解明を進める。

これまでの調査で不正が見つかったのは、09年度に原価監査付き契約が結ばれた03式中距離地対空誘導弾(中SAM)の設計製造。この契約は、材料費や設計、加工に関する人件費などの見積もりに基づいて上限額をあらかじめ決めておき、実際にかかった作業時間などに応じて最終的な支払額を決定する仕組みで、一般に流通しておらず適正価格がはっきりしない装備品などの調達に用いられる。

三菱電機によると、鎌倉製作所には装備品ごとに設計や製造に関わった人数や時間を集計できるシステムがあり、このデータに基づいて経費を請求している。しかし、ある従業員は防衛省の聞き取り調査に「自分がやった作業内容に関係なく、入力する内容がその日ごとにあらかじめ決められていた」などと話しているという。

防衛省は同製作所の幹部らが、作業量にかかわらず支払金額が決まっている通常契約の装備品や、上限を超える作業量が出た別の原価監査付き契約の装備品の設計時間などを、計画的に付け替えて経費を水増しし、不当な利益を得ていたとみて、さらに詳しく調べる方針だ。

ソース:毎日新聞 2012年1月28日 東京夕刊

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